鯖と山芋と私

30 dai no mo jo

嫌われ松子の一生

仕事が忙しくトラブル続きで心のHPがピンチなので笑いか涙でデトックスしよ!とゾンプラ(amazonprime)探ってたら、10年以上前に見て大号泣した「嫌われ松子の一生」が。

あのときは泣いたけどねー、まぁ一回見て内容知ってるし余裕っショーとか思ってたら、

 

大号泣

 

いやー、この映画ね。ホント松子バカだし不器用だし衝動的だし肝腎なところで自分を貫けなかったりその場しのぎでどうにかしようとしたり都合のいい相手をほいほい信じて騙されたり、大いに自業自得だしぜんっぜん共感できないんだけど。

でもさぁ、共感できるかできないかっていうのと感動するのは全く別物だよ………松子……悲しい……

この映画は昔スクリーンで見に行ったんだけど、その時よりも三十代になってからの方が染みるものがある。

松子は帰る場所や愛する人が欲しかっただけなんや…それでずっとさまよってて、絶望して、だけど妄想の中で妹の髪を切ってやって、希望が見えて…私はその先の松子が見たかった…帰る場所も愛する人もいなくても、自分の足で立ち上がる松子が見たかったよ…一生なんかじゃないよ、松子。まだ半分しか生きてないよ。愛に生きる人生と、自分を生きる人生の、片方しか生きてないじゃん…だけど松子がふれあった人たちのなかにはちょっとずつ(人によってはたくさん)松子が存在していて、そういう人生ってどうなんだろう。幸せとか不幸とか、他人から言えるようなもんじゃない、人生そのもののスルメ味みたいなものを感じる…

誰かのいいなりになるとか、愛してるって言うとか、そういうんじゃなくて、妹さんに髪を切ってあげるとか、おかえりって言ってもらえるとか…きっとそういうものこそ必要だったんじゃないかと思うけど、家族にたいしての複雑な思いがそれをさせなかったのか…

でも私が松子でもグレてる可能性は否めない。絶対ひねくれる。私が松子でもめぐみの部屋に寄れないし、めぐみの助力にすがれないし、理容師の家に突撃できない。その辺は十年前はわからなかったけど今はわかる。人間なんて実にちっぽけで下らなくいじましいものだ。自分もそうだもの。

中谷美紀の演技がとにかくすごい。そして他の人の配役も素晴らしい。瑛太も現代の気だるげな若者ぽくてよかった。時時流れる歌の演出も泣かせるし、絶対にあんなに星が見えない東京の夜空なのに、故郷の川と似てると気づいたあと、川辺に満点の星空が見えるのもいい。リアルではなく心情を景色に投影してるかのような画面だ。こういうのなんていうの?印象派

私は松子が人を愛し抜いた神様、というのはちょっと違う気がして、不器用で不運で不幸な一人の女の人だと思う。全部はわからないし共感もできないけど、ところどころ自分もそうだとか、人間ってそうだよねとか、存在しない人なのにまるで自分の友達のような距離感で見てしまう。

とにかくメチャメチャ泣いて仕事の気がかりなこととか嫌なことはなかったことになった。が、泣きすぎて目が腫れて明日がヤバイ…